塗料Q&Aコーナー

建築・家庭塗料自動車補修塗料重防食塗料工業用塗料木工用塗料船舶用塗料  よりお選び下さい。

建築・家庭用塗料

Q トタン屋根にさび止めペイントを全体に塗る必要はありますか?               
A  さびが出ていないところは、必要ありません。さびている所に布ぺーパーでさび を落してからさび止め塗料を塗り、全体的に掃除と、布ペーパーなどでかるく研 磨してからトタン用塗料を塗装することをお勧めします。

Q 鉄部の塗装方法を教えて下さい。                                                                
A サビやはがれかけている箇所を皮スキ、ワイヤブラシ、布ペーパーで、できるだけ落し、泥やほこりを掃除してからさび止め塗料を下塗します。よく乾燥させてから(乾燥、塗重ね時間は缶の表示を見て下さい)上塗り塗料の鉄部用ペイント又は、建物用ペイントをできれば2回塗することをお勧めします。どんな所にどんな塗料を塗ったら良いかは、お近くの塗料店に相談して下さい。

Q 瓦屋根を塗装しなければいけないのですか?
A 一般に和風瓦(釉薬の焼物瓦)、洋瓦(カラーベスト、コロニアル)分けて和風瓦は塗りません。しかし洋瓦は工場で塗装されていますので環境にもよりますが7~10年をめどに塗装したほうがよいと思います。目安は、全体的に色、艶がぼけて表面がザラザラしてきたらそろそろです。塗料の種類も水性系と溶剤系 があり水性系の方が自分でも塗装しやすいです。しかし高い所での作業ですので転落事故などに十分注意して作業して下さい。カラーベストの塗装手順1.ワイヤーデッキブラシなどでよくこすり、コケや堆積物を取り除き、最後にホースで水洗いします。2.乾燥1日後シーラー下塗り塗装 3.乾燥後、上塗塗装2回塗り

Q 水性塗料は、乾燥したらどうして水に溶けないのですか?
A 水性塗料は、水中に高分子の樹脂粒子が分散したもにで、乾燥して水分がなくなると樹脂の粒子同士結合して塗膜として残り水にとけなくなります。

Q ビニールクロスに塗装したいのですが?
A 水性艶ありペイントと艶消しがあり、直接ぬるとビニールクロスの可塑剤の影響で ベタつきがのこります。すでにビニールクロス用塗料として標示されいる物は、直接塗る事が出来ますが、その他の水性壁用は、シーラーを下塗してから壁用塗料を上塗りして下さい。現在は、塗装中の臭気をおさえた低臭型塗料、汚しても、ふき掃除で簡単に汚れをおとせる低汚染型塗料ができています。どんな所にどんな塗料を塗ったら良いかは、近所の塗料店に相談して下さい。

Q コーキング材の上に塗料が塗れますか?
A コーキング、シーリング材は建物の目地に充填したり、ひび割れの隙間をふさいで防水の役目をしますが、一般的にシリコン系のコーキング材には塗装できません。それ以外の、変成シリコン、ポリウレタン、アクリル系には塗る事ができます。しか し、半年後ぐらいからコーキングの部分が黒く汚れてくる場合があります。これは、コーキングの可塑剤が上塗りに移行して起きる現象で、コーキング材の選択違い でも、上塗りが悪いのでもなく、あまり気が付かないで使用されています。市販品の中にノンブリードタイプと説明があれば、こういう現象はおこりにくくなります。
(社)日本塗料協会編「ペインティングホリデー」より抜粋

 

自動車補修用塗料

 Q 自動車の塗装は何処でやっていますか?
A 自動車塗装は専門の鈑金塗装工場やカーディーラー等で受け付けています。
お近くの鈑金塗装工場に直接頼んでも受け付けてもらえますから一度たずねてみては 如何ですか。

Q どんな自動車の色でも塗装できますか?
A 補修用塗料は100色近い原色が揃っています。これを配合することにより新車に使われている色はほとんど再現することが出来ます。

Q 補修用塗料は1液型と2液型のどちらがいいのでしょうか?
A 塗料はそれぞれに特徴があります。1液型はスポット補修に適しており、難しいボカシ塗装も比較的簡単にできます。2液型は多少熟練が必要ですが全塗装には最適 です。また1液型と比較して下地処理がやさしいので、日本ではまだまだ主流で使われています。

重防食塗料

Q 重防食とは?
A 防食塗装―100~150μ 重防食塗装―200~500μ 超重防食塗装―1000~2000μ の膜厚の塗装により分類される。重防食塗装―塗料を厚く塗り長期間の防錆、防食を計る塗装のこと又それに使用される塗料を重防食塗料という。

Q さび止め塗料ってどのようなものがありますか?
A 一般的に顔料を主体として呼ばれるさび止め塗料は下記のようになります。 1.鉛丹さび止め塗料特徴―防錆性能はすぐれているが、塗膜の乾燥と硬化が遅い欠点がある。したがって、屋外の塗り替えなどは不向きである。しかし、橋梁、鉄骨など新設鋼構造物の防錆用に用いられています。2.亜酸化鉛さび止め塗料特徴―すぐれたさび止め性能を有するので、橋梁、タンク類、鉄骨などの鋼構造物の防錆に幅広く使用されている。3.シアナミド鉛さび止め塗料特徴―昭和30年代に使用が開始された塗料で、鋼構造物のさび止め塗装などに用いられている。4.ジンクリッチペイント(高濃度亜鉛末さび止め塗料)特徴―鉄面を微アルカリ性に保持する作用をおこなう。展色剤としてアルカリシリヶートやアルキルシリヶートを用いたジンクリッチペイント(無機)、エポキシ樹脂などを用いたジンクリッチペイント(有機)がある。無機ジンクは防食性能にすぐれ、有機ジンクは施工性にすぐれているとされている。5.ジンククロメートさび止め塗料特徴―溶融亜鉛めっき面、金属溶射面、軽合金用など非鉄金属用に用いられることが多い。鉄鋼用には鉛丹と併用して鉛丹ジンククロメートプライマーとして船舶用などに使用されている。 6.鉛酸カルシウムさび止め塗料特徴―白色のさび止め塗料として鉄鋼用に使用されるが、むしろトタンなど亜鉛めっき面に付着生が良く又ジンクリッチペイント塗装系のメンテナンスに使用されることもある。

Q タンカーなど大きい船を塗装するのはどのような工程でどのくらいの塗料を使用しますか?
A 基本的にはさび止め、中塗、上塗で4回から5回塗りです。例として液化天然ガス運搬船(長さ259m 幅47.2m 高さ26.5m)でドラム缶にして2500本くらいの塗料を使います。

Q 橋梁などにはどのような塗料が塗られていますか?
A 一般的に環境により大きく変化します。下記の様におおまかに分類できます。1.山間、田園地域―腐食条件は穏やかで、防錆上特に注意すべき点はないが、一 般に紫外線量は多いので塗膜の変退色は大きくなります。(長油性フタル酸、シリコンアルキド樹脂塗料など) 2.都市部―車輌の排気ガス中に含まれる硫黄酸化物(SO2)などの酸性物質により、塗膜層間剥離や発錆が生じやすくなります。このため耐薬品性のよい塗料を用いたり、必要に応じて下塗塗料を増し塗りするのが望ましいです。(塩化ゴム系塗料、ポリウレタン塗料など)3.海浜地域―海塩粒子の影響により、厳しい腐食条件になります。海塩粒子は吸 湿性があるため耐水性にすぐれた塗装仕様の選定が必要になります。(ポリウレ タン塗料など)4.海上部―海浜地域よりさらに海塩粒子の影響が大きく、耐水性を考慮した塗装仕様の選定が必要となります。(ポリウレタン塗料、フッ素樹脂塗料など)

Q ウレタンエラストマーってどんな塗料ですか?
A 特殊ポリオール樹脂を変性イソシアネートで硬化させる超速乾型厚膜塗料です。1回塗りで2000μもの超厚膜が可能で、その塗膜性能は可とう性に富み耐衝撃性、耐屈曲性を発揮します。

Q 腐食を促進する環境因子は?
A 1.鉄鋼表面の水による濡れ時間  2.塩素イオン、硫酸イオンなどの腐食促進性陰イオンの存在  3.酸類の存在  4.温度の上昇  5.高湿度  6.迷走電流の影響

Q 防食性能の高い塗膜とは?
A 電気抵抗が高い塗膜すなわち塩類や酸などイオンに解離する物質の外界からの侵 入を遮断する能力の高い塗膜のこと。

Q 防食の塗料の選択は?
A 次の条件により塗料、塗装系が選択されます。   1.要求性能   2.被塗物の使用条件   3.設置箇所の腐食環境   4.素地調整の程度   5.施工条件   6.維持持補修の条件   7.経済性

工業用塗料

Q 工業用塗料はどのような製品に塗装されているのでしょうか?
A 工業用塗料は素材や目的別に塗装が分けられています。 代表的な塗装をご紹介します。 メラミン塗装:熱硬化アミノアルキド樹脂塗料の略称で主に金属製品塗装されています。鋼製家具、電化製品、金属雑貨など幅広い分野で使われています。 エポキシ塗装:常温乾燥の2液型と焼付型があります。密着が良く、耐薬品性、耐塩水 性に優れていますが、耐候性は良くない為、機械やプラントの防食塗装や、自動車などの下地塗装に使われています。 アクリル塗装:常温乾燥のラッカ―型と焼付型があります。耐候性がよく黄変性も少な いので、主に屋外用途に適しています。自動車、電化製品、カラ-トタ ンなどの金属製品やABSなどのプラスチック製品にも使われています。 ウレタン塗装:耐候性、耐薬品に加え、物理性能もすぐれバランスの取れた塗料です。 パソコンや携帯電話などのプラスチック製品、エレベーターやエスカレーター、建設機械など多くの金属製品に塗装されています。

 Q 工業用塗料はどのように塗装されているのですか?
A 工業塗装は量産効率を上げる目的がある為、刷毛やロ-ラ-は使用しません。 塗装物の形状や大きさ、塗料の種類によって塗装方法が異なります。 代表的な塗装方法をご紹介します。エアースプレー塗装:圧縮空気を使い塗料を霧化して被塗物に付着させます。 エアレス塗装:塗料に高圧を加え小さい穴から噴射して塗料を霧化します。 静電塗装:霧化された塗料の粒子に静電気を負極(-)帯電電させて、ア-スされた 被塗物(+)に効率良く付着させます。 静電紛体塗装:粉体塗料の粒子に静電気(-)や(+)を帯電させて、静電塗装と同 様に静電気の力を利用して付着させてから、乾燥炉で加熱溶融します。 電着塗装:タンク内の電着塗料に(-)や(+)の電化を帯びさせ、被塗物を浸し電気 的に塗膜を形成させます。 ロールコーター:コイル鋼板をコ-ティングロ-ラ-を使い、塗料を塗布します。

 Q 工業用塗料の品質はどのような試験方法で評価されているのですか?
 A 代表的な塗膜の品質性能試験方法をご紹介します。色差:指定色(基準色)と塗装された色が合っているか色差計で測定します。光沢:指定色と塗装された色の光沢が合っているか光沢計を使って測定します。 硬度:塗装面の硬さを鉛筆の硬度で測定します。膜厚:塗装された製品の塗膜が均一な仕上がりになっているかチェックします。  ゴバン目試験:塗膜と素材の付着性を調べます。  耐アルカリ性:塗膜の耐アルカリ性を苛性ソ-ダ溶液で試験します。 耐酸性:塗膜の耐酸性を酸溶液で試験します。 耐候性:塗膜を促進耐候性試験機(サンシャインウェザオメ-タ-)で耐久性を調べます。 耐蝕性:塩水噴霧試験機で塗膜の耐蝕性を調べます。 面白い試験では、砂を塗膜にかけてキズや磨耗の状態を見たり、人間の汗と同じ成分の溶液を使って塗膜の耐久性を調べたりもします。その他、工業用の塗装物 は塗膜が要求される性能によって色々な試験を行います。

 

木工用塗料

Q 艶のある家具を艶消しにしたいのですが、どうしたら良いでしょうか?
A 現在の塗装面をサンディングし、任意の艶消しクリヤーを塗装してください。任意の艶消しはフラットベースと呼ばれる艶消し剤とクリヤーを混ぜることによって調整します。判艶(五部消し)とか艶消し(完全艶消し)はスタンダードで用意がある場合が多いです。下地となる塗料がラッカーであるのかウレタンであるのかによっても剥離等の問題が生じますので注意が必要です。目立たない個所に試し塗りをして確認して下さい。

Q 木工の塗装工程を教えて下さい。
A 素地調整が終わってから初めて塗装工程となります。   1.やに止めシーラー塗装(木材に含まれるやに成分を押さえる塗装)   2.サンディングシーラー塗装(仕上がりを滑らかにする為の塗装、乾燥後サンディングします)   3.トップコート(仕上げクリヤー塗装)  以上の順番で塗装、乾燥、サンディングを繰り返します。塗装間隔については注意が必要ですので、最寄の塗料販売店にお問い合わせ下さい。

Q 鏡面塗装とはどういう塗装ですか?
A 木工塗装工程中のサンディングシーラーの工程を数度繰り返し、更にトップコートに おいてもバフをかけることによって、素地の凸凹を塗装によってカバーします。完成した塗装面は鏡のようになります。

 

船舶用塗料

Q 船舶塗料と普通の塗料と何処が違うのですか?
A 多くの船は錆びやすい鉄でできており、海水の厳しい腐食環境に耐えられることと、船底では海中生物の付着(フジツボ等)を防いで船のスピードの低下を防ぐなどの機能が備わった塗料があります。厳しい環境で優れた附着性能と機械的強度と耐久性を備えた丈夫な塗料です。塗料ということでは違いはありません。

Q 船の塗り替えの頻度はどの位でするのですか?
A 大型船では数年に1回、小型船では毎年。運行状況によっても違います。

 Q 船舶塗料は何処で購入できるのですか。
 A 一般の塗料販売店では置いていませんが取り寄せて購入することができます。ただ船舶塗料メーカーは限られていますので、そのメーカーの看板のある店でご注文下さい。

Q 船舶用塗料でA/C,A/F,B/Tというのはどういう塗料ですか?
A A/Cは船底塗料のさび止め塗料の船底塗料1号のことです。A/Fは船底塗料の海中生物の附着を防ぐ防汚塗料の船底塗料2号のことです。B/Tは乾湿交互に変わる悪条件下で水線部を保護する水線塗料のことです。

Q FRP船の船底塗装の目的は?
A 海中生物の附着によるスピードの低下を防ぎ合わせて美観を保つのが目的です。新造船は船体に離型剤が残っていますのでそのまま塗装すると塗膜が剥離します。離 型剤を取り除いてから塗装して下さい。